ガイドブック
『地球の歩き方』
基本。情報量すごい。
購入したら、すぐにバラしてスキャンして、街ごとにホチキスで再製本して持っていく。旅先では、小冊子で見る場合もあるし、PDFにしたものをiPhone等で見ることもある。この作業は少々面倒なので、早いことPDFか何かでダウンロードできるようになってほしいと思っている。
地誌・歴史
『現代インドネシアを知るための60章』
今回はこの本がいちばん役に立った実感がある。『地球の歩き方』よりも、さらにもう一歩踏みこんで知りたいとき、このシリーズはいつも重宝する。興味ある章を拾うだけでも役に立つし、読み通すと相当なボリュームになる。
『インドネシアのことがマンガで3時間でわかる本』
天然ガスとか木材とか、若い労働人口が多いこととか、ビジネス目線でインドネシアに興味をもつ人が、興味をもちそうなデータがコンパクトにまとめてある。
水本達也『インドネシア――多民族国家という宿命』中公新書
未読。多民族国家としてインドネシアをとらえたうえでの現代史。同じ中公新書の『経済大国インドネシア-21世紀の成長条件』よりも、自分にとっては優先順位が高い。
インドネシアは、本質的に国際的というか、その国内だけで「世界」を成している国のひとつと感じた。ゆるいつながりはあるものの、バラバラになってもおかしくない諸民族を、標準語の絆でどうにかまとめている。その点では中国に少し似ている。
大槻重之『インドネシア専科』Webサイト
最近これをちまちま読んでいる(行く前に読むには難しすぎた)。
情報量は圧倒的。本にしたら何冊分になることか。
作者は駐在員をされていた方。
経済のみならず、歴史や文化への目配りが広く深い。
語学
降幡正志『インドネシア語のしくみ』
インドネシア語の文法はシンプルすぎるので、この薄い易しい優しい本だけでも、結構なところまでたどりついてしまう。深く知りたい場合は東京外大のインドネシア語学習サイトで補完する。
インドネシア語の文法はシンプルすぎるので、この薄い易しい優しい本だけでも、結構なところまでたどりついてしまう。深く知りたい場合は東京外大のインドネシア語学習サイトで補完する。
ドミニクス・バタオネ『インドネシア語が面白いほど身につく本』
軽そうな体裁だが中身は本格的。この本に載ってるフレーズを覚えれば旅行には十分すぎる。
インドネシア語の本は意外に少ないが(ニーズ的にはもっとたくさんあっていい)、そのなかで現状ベストな入門書と思う。
英語だけでも旅行はできるだろうけれど、ほんのすこしだけ覚えていった怪しいインドネシア語は、とくにジャワ島では予想以上に役に立った。
よみもの
金子光晴『マレー蘭印紀行』
金子光晴は戦前生まれの詩人で、南洋や欧州を放浪した人。
旅行記というよりは散文詩。熱帯の濃厚な空気、マレーの風物を描いた作品として名声高い。バトパハの街でロティ(パン)とバナナと珈琲の朝食をとるシーンが有名(?)。
読んでみると意外に社会派で、日本はじめ列強による経済支配を、冷ややかに見る目線が印象に残った。本人は無頼に適当に旅をしているかのような口ぶりで、まあ実際そういう面もあったらしいけども、語学や文化や歴史や地理や時事へのたいへんに深い見識に支えられた作品であることが、旅した後だとしみじみわかった。
面白かったので、より旅行記に特化していそうな『西ひがし』も読んでみたい。