2019年7月26日金曜日

to know what I love


プログラミングは開発の2割
http://key-sys.com/breakdown-of-development-process/
という記事を読んだ。まあそんなもんかなと調べたら、ソフトウェアメトリクス、というのがあった。おもしろい。
http://www.juas.or.jp/cms/media/2018/05/swm18_kh_ppt.pdf

そして、これがまとめたのがITシステム屋さんではなく、システムの購入者の団体であるというのが気になった。そしてその団体は経済産業省と縁が深いことにも。

買う人たちがなぜこんなに工数や工程を気にするのだろう。好きなものを好きな値段で作ってもらえばいいのに。

発注側が、ITの価値をわかっていなくて、システムの値段を自分でつけられない。そこで原価を覗きこもうとする。
工数にこだわり、工程を管理しようとする。

それはつまり素人が作り方を指示することになる。現場の士気は下がるし、技術は古いままになる、などなど、いろいろと、作る人は作りたいように作り、欲しい人が欲しいものを買う、普通の経済活動の世界では想像のつかないような残念なことがおこる。

王様が自分の望む料理を作らせているのでは、料理は一定程度を超えては発展せず、伝統形式に固執しがちになる。
オーダーメイドの服屋は往々にして何十年もダサいままになりがちだったりする。どちらも幸福な例外はあるけれど。

システムを買う側が、その価値に値段をつけられない、というような事態がおこるのは、自分たちの欲しいものが何であるかを知る練習、to know what I love の練習が足りないせいではないかと思った。

自分が何を好きかを知るのはとてもたいへんだ。プロスポーツ選手が自分の身体を思い通りに動かすのと同じくらいにたいへんなことだ。

でも、一定以上の効用、生存に必要という自明な選好を超えた効用は、そこからしか生まれない。自分が何を好きか、を育まない社会では、経済成長は頭打ちになる。

われ唯足るを知る、という言葉がある。それとこれとは微妙に違うような、けれども、読む人によっては同じ意味でもあるような気がする。