それに対して、本をばらさない「非破壊自炊」というのがある。
今回は、iPhone(とMac)だけで非破壊自炊に挑戦したメモ。
必要なもの
なるべく特別なものを使わない方向で。- iPhone(他のスマートフォンでも可)
- 机と椅子(なんでもいい)
- 何冊かの本(高さ調整のため)
- コンピュータ(MacでもWindowsでも可。なくても可。)
- 位置の調整ができる照明(デスクライトなど)
フラットヘッドスキャナもいまや超安いけど、
場所ふさぎだし、モノ持ちたくないし。
数枚ならコンビニのコピー機でいいけど、数十枚になると高くつくし。
もっとどうでもいいものをカジュアルにスキャンしたい。
そして、カメラを使うほうがスキャナより速い。
スキャナは、モーターが動くのを待たないといけない。
カメラなら、シャッター一発。
置き方
机(高さ約70cm)の上に、iPhoneを置く。椅子(座面高約40cm)の上に、本を置く。
iPhoneのふちに本をおいて、重石にする。
すると、だいたい、A4サイズが撮影できる。
机が低い場合は、机の上に少し本を置いて、その上にiPhoneを置く。
机が高い場合は、椅子の上に少し本を置いて、その上に本を重ねる。
机と椅子の高さは人間工学的にほぼ一定なので、
どこでも同じようにできる。世の中よくできてる。
左右見開きで撮影しても普通に読める。
左右が同じページでいいならこれで十分。
A5サイズを左右片面ずつ撮りたいなら、椅子の上に少し本を置く。
この場合、あとの作業の都合上、別々に撮ると便利。
左→右→左→右→… と撮影すると位置がずれるので、
左→左→左→… と撮影したあと、本をひっくり返して、
右→右→右→… と撮影する。
ページめくりの手間は増えるが、位置合わせの手間がなくなるので
差し引きではラク。できあがりも綺麗になる。
また、左右別々に位置を調整できるので、
影になる部分や、光の反射の白飛びが発生しにくくなるのもいい。
iPhoneで撮影
スキャナアプリは、いくつか試した結果 CamScanner+ に決定した。無料版で試してみて、大丈夫そうなら有料版にするといい。
設定はまだよくわからないけど、ひとまず、こうしてみた。
- [スキャン]→[強化モード設定]
- [自動処理]自動トリムモード「トリミングをしない」
自動トリミングはあまりあてにならない。 - [手動処理]色を鮮明化:「鮮明化」
- [自動処理]色を鮮明化:「鮮明化」
鮮明化すると、ScanSnapで白黒モードにしたようなペッタリ感。
文字だけの本なら「増強」にするのもいい。
連続撮影モードを使う(※)。手でページをめくっては、撮影ボタンを押す。
※自動インターバル撮影アプリで撮影した写真を、カメラロールからインポートすればいい、とはじめ思ったのだけど、CamScannerのバグ?で写真の読込がうまくいかない(2014年11月現在)。ただ、自動撮影だと焦るし、自分には、ぽちぽち押して撮影するのが向いてる気がした。また、CamScannerのカメラで撮るとカメラロールに写真が溜まらないというメリットがある。
撮影後は、メールで送ったり、クラウドに保存したり、なんでもしたい放題。
さすが神アプリ。
GoodReader と同じように、PCから直接 WiFi で接続することもできる。
ファイルサイズが大きい場合はこれが便利。
PDFを加工
PDFを編集。Macならプレビュー。まず、画像を回転。全ページ選択して、[Command]+[L]/[R]。
次に、トリミング。全ページ選択して、トリミング範囲を選択して、[Command]+[K]。
見開きスキャンの場合はこれで完了。
左右を別ページにしたい場合、左・右を別々にトリミングする。
(「2枚に分けて印刷」すれば一発でできるが、中心位置がずれる場合が多いと思う)
そうしてできた、左右片面ずつのPDFを、右→左→右→左→右→……と交互に並べる。
この作業は、Macのプレビューでも、WindowsならAcrobatでもできるが、
数十ページになるとかったるい。
自動でやってくれる PDF Split and Merge というアプリがある。
Mac版のインストールがうまくいかない……とおもいきや、
Webサービスにしてくれてた。神。"PDF Alternate Mix" がその機能。
これにて完成。あとはご自由に。
私は、まず GoodReader にいれたあと、
ページめくりの快感を得るために、 i文庫 で開いて読みます。
まとめ
まあ、手間といえば手間で、こんなめんどいことやっとれるか、という人がほとんどだろうけど。
本をばらして自炊をする忍耐力のある人なら、
非破壊自炊も数十ページなら可能な範囲だと思う。
慣れればわりと簡単にできそうだし、
手を抜いて速くするも、手をかけて綺麗にすることもできそう。
他に試したのは Jucie (現在非公開?)。
ページめくりの動作を認識して自動でシャッターを切ってくる。
これは素晴らしいアイデアだとおもうけれど、
自分の環境では動作認識がうまく動かなかった。