オークションで買った角帯の、においが強くて困っていた。
クリーニングに出しても、何日も風を通してもとれない。
同じ所に収納している他の着物にも匂いが移る。なげかわしい。
もう捨てようかと思いつつ、
最後のあがきとして、
ダイソーで台所用活性炭シートというのを買ってきて、
帯とシートをミルフィーユ状に重ねて巻いて、
まるごとジップロック(大)に入れておいた。
1ヶ月ほどたって、なにげなく開けてみたら、
あれ?と思うほど匂いがしない。
前どんなだったか思い出せないほど。
びっくりした。効くんだ。
これをする前に、クリーニングや除菌で
においの元を断っておく必要はあると思う。
ジップロックに入れたのは、これ以上他の着物に匂いを移さないのが
目的だったのだけど、それが脱臭によかったのかもしれない。
活性炭シートは安いものだから気前良く使えるのも良かったのだろう。
安価な方法なので、ぜひ試してみてください。
2016年7月30日土曜日
2015年7月17日金曜日
Macのプレビューで透明テキストが扱えるようになったかも
以前書いた「MacのプレビューでPDFの透明テキストが失われる」記事を、意外にも多くの方が読んでくださったようでうれしい。細かいことでも同じ問題で困る人はいるものなのだなあと。
この問題、何度かアップデートしても直っていなかったのだけど、今回 OS 10.10.4 (Yosemite) で試してみたら、直ってるかもとおもったのでメモ。
自炊した本に、OCRをかけて、透明テキストをつける。
すると、「プレビュー」で、ハイライトが引けるようになる。
ハイライトをつけたところだけ一覧することもできる。(出典:山田祥寛『JavaScript本格入門~モダンスタイルによる基礎からAjax・jQueryまで』)
そして、保存して終了して、改めて開いても、ちゃんとテキストを選択できる…と思う。以前は、保存して終了したが最後、透明テキストが失われてしまうという不具合があったのが、解消されてる…かも。まだ確信はありませんが、よろしければお試しください。縦書は試してないけど、きっとダメだろうなぁ…
新しい MacBook にして、うれしいのは、本を読みやすくなったこと。Kindleしかり、自炊PDFしかり。Retina になるとこんなにも読む気がするのだなと。あと本体が軽くなったせいもあるかもしれない。
気になったところに線が簡単に引けて、あとで見返せるのは超便利。これがはじめから自分の読書のデフォルトになっていたら何かが変わっていたのではないかと感じる。50年ぐらい遅く生まれて、たいていの本が電子化完了している時代から本を読み始めていたならばと悔やまれてならない。
この問題、何度かアップデートしても直っていなかったのだけど、今回 OS 10.10.4 (Yosemite) で試してみたら、直ってるかもとおもったのでメモ。
自炊した本に、OCRをかけて、透明テキストをつける。
すると、「プレビュー」で、ハイライトが引けるようになる。
ハイライトをつけたところだけ一覧することもできる。(出典:山田祥寛『JavaScript本格入門~モダンスタイルによる基礎からAjax・jQueryまで』)
そして、保存して終了して、改めて開いても、ちゃんとテキストを選択できる…と思う。以前は、保存して終了したが最後、透明テキストが失われてしまうという不具合があったのが、解消されてる…かも。まだ確信はありませんが、よろしければお試しください。縦書は試してないけど、きっとダメだろうなぁ…
新しい MacBook にして、うれしいのは、本を読みやすくなったこと。Kindleしかり、自炊PDFしかり。Retina になるとこんなにも読む気がするのだなと。あと本体が軽くなったせいもあるかもしれない。
気になったところに線が簡単に引けて、あとで見返せるのは超便利。これがはじめから自分の読書のデフォルトになっていたら何かが変わっていたのではないかと感じる。50年ぐらい遅く生まれて、たいていの本が電子化完了している時代から本を読み始めていたならばと悔やまれてならない。
2015年6月4日木曜日
iPhoneで非破壊自炊
本をばらしてスキャンしてPDFにする「破壊的自炊」をよくする。
それに対して、本をばらさない「非破壊自炊」というのがある。
今回は、iPhone(とMac)だけで非破壊自炊に挑戦したメモ。
フラットヘッドスキャナもいまや超安いけど、
場所ふさぎだし、モノ持ちたくないし。
数枚ならコンビニのコピー機でいいけど、数十枚になると高くつくし。
もっとどうでもいいものをカジュアルにスキャンしたい。
そして、カメラを使うほうがスキャナより速い。
スキャナは、モーターが動くのを待たないといけない。
カメラなら、シャッター一発。
椅子(座面高約40cm)の上に、本を置く。
iPhoneのふちに本をおいて、重石にする。
すると、だいたい、A4サイズが撮影できる。
机が低い場合は、机の上に少し本を置いて、その上にiPhoneを置く。
机が高い場合は、椅子の上に少し本を置いて、その上に本を重ねる。
机と椅子の高さは人間工学的にほぼ一定なので、
どこでも同じようにできる。世の中よくできてる。
A5の本で、iPhone 6 Plusのカメラで、
左右見開きで撮影しても普通に読める。
左右が同じページでいいならこれで十分。
A5サイズを左右片面ずつ撮りたいなら、椅子の上に少し本を置く。
左→右→左→右→… と撮影すると位置がずれるので、
左→左→左→… と撮影したあと、本をひっくり返して、
右→右→右→… と撮影する。
ページめくりの手間は増えるが、位置合わせの手間がなくなるので
差し引きではラク。できあがりも綺麗になる。
また、左右別々に位置を調整できるので、
影になる部分や、光の反射の白飛びが発生しにくくなるのもいい。
無料版で試してみて、大丈夫そうなら有料版にするといい。
設定はまだよくわからないけど、ひとまず、こうしてみた。
連続撮影モードを使う(※)。手でページをめくっては、撮影ボタンを押す。
※自動インターバル撮影アプリで撮影した写真を、カメラロールからインポートすればいい、とはじめ思ったのだけど、CamScannerのバグ?で写真の読込がうまくいかない(2014年11月現在)。ただ、自動撮影だと焦るし、自分には、ぽちぽち押して撮影するのが向いてる気がした。また、CamScannerのカメラで撮るとカメラロールに写真が溜まらないというメリットがある。
撮影後は、メールで送ったり、クラウドに保存したり、なんでもしたい放題。
さすが神アプリ。
GoodReader と同じように、PCから直接 WiFi で接続することもできる。
ファイルサイズが大きい場合はこれが便利。
まず、画像を回転。全ページ選択して、[Command]+[L]/[R]。
次に、トリミング。全ページ選択して、トリミング範囲を選択して、[Command]+[K]。
見開きスキャンの場合はこれで完了。
左右を別ページにしたい場合、左・右を別々にトリミングする。
(「2枚に分けて印刷」すれば一発でできるが、中心位置がずれる場合が多いと思う)
そうしてできた、左右片面ずつのPDFを、右→左→右→左→右→……と交互に並べる。
この作業は、Macのプレビューでも、WindowsならAcrobatでもできるが、
数十ページになるとかったるい。
自動でやってくれる PDF Split and Merge というアプリがある。
Mac版のインストールがうまくいかない……とおもいきや、
Webサービスにしてくれてた。神。"PDF Alternate Mix" がその機能。
これにて完成。あとはご自由に。
私は、まず GoodReader にいれたあと、
ページめくりの快感を得るために、 i文庫 で開いて読みます。
こんなめんどいことやっとれるか、という人がほとんどだろうけど。
本をばらして自炊をする忍耐力のある人なら、
非破壊自炊も数十ページなら可能な範囲だと思う。
慣れればわりと簡単にできそうだし、
手を抜いて速くするも、手をかけて綺麗にすることもできそう。
他に試したのは Jucie (現在非公開?)。
ページめくりの動作を認識して自動でシャッターを切ってくる。
これは素晴らしいアイデアだとおもうけれど、
自分の環境では動作認識がうまく動かなかった。
それに対して、本をばらさない「非破壊自炊」というのがある。
今回は、iPhone(とMac)だけで非破壊自炊に挑戦したメモ。
必要なもの
なるべく特別なものを使わない方向で。- iPhone(他のスマートフォンでも可)
- 机と椅子(なんでもいい)
- 何冊かの本(高さ調整のため)
- コンピュータ(MacでもWindowsでも可。なくても可。)
- 位置の調整ができる照明(デスクライトなど)
フラットヘッドスキャナもいまや超安いけど、
場所ふさぎだし、モノ持ちたくないし。
数枚ならコンビニのコピー機でいいけど、数十枚になると高くつくし。
もっとどうでもいいものをカジュアルにスキャンしたい。
そして、カメラを使うほうがスキャナより速い。
スキャナは、モーターが動くのを待たないといけない。
カメラなら、シャッター一発。
置き方
机(高さ約70cm)の上に、iPhoneを置く。椅子(座面高約40cm)の上に、本を置く。
iPhoneのふちに本をおいて、重石にする。
すると、だいたい、A4サイズが撮影できる。
机が低い場合は、机の上に少し本を置いて、その上にiPhoneを置く。
机が高い場合は、椅子の上に少し本を置いて、その上に本を重ねる。
机と椅子の高さは人間工学的にほぼ一定なので、
どこでも同じようにできる。世の中よくできてる。
左右見開きで撮影しても普通に読める。
左右が同じページでいいならこれで十分。
A5サイズを左右片面ずつ撮りたいなら、椅子の上に少し本を置く。
この場合、あとの作業の都合上、別々に撮ると便利。
左→右→左→右→… と撮影すると位置がずれるので、
左→左→左→… と撮影したあと、本をひっくり返して、
右→右→右→… と撮影する。
ページめくりの手間は増えるが、位置合わせの手間がなくなるので
差し引きではラク。できあがりも綺麗になる。
また、左右別々に位置を調整できるので、
影になる部分や、光の反射の白飛びが発生しにくくなるのもいい。
iPhoneで撮影
スキャナアプリは、いくつか試した結果 CamScanner+ に決定した。無料版で試してみて、大丈夫そうなら有料版にするといい。
設定はまだよくわからないけど、ひとまず、こうしてみた。
- [スキャン]→[強化モード設定]
- [自動処理]自動トリムモード「トリミングをしない」
自動トリミングはあまりあてにならない。 - [手動処理]色を鮮明化:「鮮明化」
- [自動処理]色を鮮明化:「鮮明化」
鮮明化すると、ScanSnapで白黒モードにしたようなペッタリ感。
文字だけの本なら「増強」にするのもいい。
連続撮影モードを使う(※)。手でページをめくっては、撮影ボタンを押す。
※自動インターバル撮影アプリで撮影した写真を、カメラロールからインポートすればいい、とはじめ思ったのだけど、CamScannerのバグ?で写真の読込がうまくいかない(2014年11月現在)。ただ、自動撮影だと焦るし、自分には、ぽちぽち押して撮影するのが向いてる気がした。また、CamScannerのカメラで撮るとカメラロールに写真が溜まらないというメリットがある。
撮影後は、メールで送ったり、クラウドに保存したり、なんでもしたい放題。
さすが神アプリ。
GoodReader と同じように、PCから直接 WiFi で接続することもできる。
ファイルサイズが大きい場合はこれが便利。
PDFを加工
PDFを編集。Macならプレビュー。まず、画像を回転。全ページ選択して、[Command]+[L]/[R]。
次に、トリミング。全ページ選択して、トリミング範囲を選択して、[Command]+[K]。
見開きスキャンの場合はこれで完了。
左右を別ページにしたい場合、左・右を別々にトリミングする。
(「2枚に分けて印刷」すれば一発でできるが、中心位置がずれる場合が多いと思う)
そうしてできた、左右片面ずつのPDFを、右→左→右→左→右→……と交互に並べる。
この作業は、Macのプレビューでも、WindowsならAcrobatでもできるが、
数十ページになるとかったるい。
自動でやってくれる PDF Split and Merge というアプリがある。
Mac版のインストールがうまくいかない……とおもいきや、
Webサービスにしてくれてた。神。"PDF Alternate Mix" がその機能。
これにて完成。あとはご自由に。
私は、まず GoodReader にいれたあと、
ページめくりの快感を得るために、 i文庫 で開いて読みます。
まとめ
まあ、手間といえば手間で、こんなめんどいことやっとれるか、という人がほとんどだろうけど。
本をばらして自炊をする忍耐力のある人なら、
非破壊自炊も数十ページなら可能な範囲だと思う。
慣れればわりと簡単にできそうだし、
手を抜いて速くするも、手をかけて綺麗にすることもできそう。
他に試したのは Jucie (現在非公開?)。
ページめくりの動作を認識して自動でシャッターを切ってくる。
これは素晴らしいアイデアだとおもうけれど、
自分の環境では動作認識がうまく動かなかった。
2014年12月25日木曜日
スペイン語の未来形
最近なんとなくスペイン語をやっている。
ちょっとだけ足を踏み入れたメキシコは感じが良かったし、
何かと使う機会もあるかなと思って。
スペイン語は日本人にとって発音が簡単だし、
関西弁とアクセントの相性が良いっぽくて快適。
頂きをきわめる気はまったくなく、
快適と思えるところまで行って帰ってこようと思っている。
上田博人(1988)「スペイン語の未来形の意味」
スペイン語の未来形は「推量形」と呼ぶのがいいんじゃないかという論文。
上田(1988)の提案する各時制の名称は、
未来形→現在推量形
過去未来形→過去推量形
未来完了形→現在完了推量形
過去未来完了形→過去完了推量形
というもの。
スペイン語の未来は、日本語の「〜だろう」みたいな意味が主であって、
時間のことは結果としてそれについてくるだけ、という考え方のようだ。
こうすると「過去未来完了」なんていう意味不明な呼び方から解放されるし、
「現在推量」という呼び方は日本語らしくてなんとも親しみやすからむ。
この論文によると、
スペイン語の「未来形」については海外でも諸説あり、
(1) 時制(tense)として解する説
(2) 相(aspect)として解する説
(3) 叙法(mode)として解する説
日本語の助動詞の「た」を、
過去(時制)とみるか、完了(相)とみるか、
みたいな争いがスペイン語文法の世界にもあるらしい。
上田(1988)の提案は (3) と親和性が高いのかなと思う。(違っていたら直します)
未来形を時制でなく、叙法のひとつ「推量法」と解するなら、
意思疎通において、事実(と思っている)かどうかは重要なことなので、
それらに着目した言い分けがあるのはナイスなかんじがする。
そして、これらのそれぞれに、
「現在」と「過去」と「完了」と「過去完了」がある、
ということになって、たいへんすっきりする。
ただこうなると、古めかしいスペイン語でたまに出てくるという
「接続法未来」「接続法未来完了」には居場所がなくなってしまう。
これらが現代スペイン語で使われなくなった理由として、
個人的にはもっともらしく思える。
けども、文法の体系書を編む人にとっては、
これらの居場所がなくなると都合がわるいかもしれない。
もしかしたら、接続法未来という、もはや死せる活用形のせいで、
生きとし生ける学習者が苦労させられているのかもしれない。
と書いて、日本語の文法のことを思った。
日本人は、平安時代の文法にひもづいた「国文法」を習うが、
外国人は、死せる古文を切り捨てた「日本語文法」を習う。
それによって飛躍的に学習効果が高まっている。
他の言語でも、そういうことがあるのかもしれない。
文法おもしろい。
ちょっとだけ足を踏み入れたメキシコは感じが良かったし、
何かと使う機会もあるかなと思って。
スペイン語は日本人にとって発音が簡単だし、
関西弁とアクセントの相性が良いっぽくて快適。
頂きをきわめる気はまったくなく、
快適と思えるところまで行って帰ってこようと思っている。
上田博人(1988)「スペイン語の未来形の意味」
スペイン語の未来形は「推量形」と呼ぶのがいいんじゃないかという論文。
上田(1988)の提案する各時制の名称は、
未来形→現在推量形
過去未来形→過去推量形
未来完了形→現在完了推量形
過去未来完了形→過去完了推量形
スペイン語の未来は、日本語の「〜だろう」みたいな意味が主であって、
時間のことは結果としてそれについてくるだけ、という考え方のようだ。
こうすると「過去未来完了」なんていう意味不明な呼び方から解放されるし、
「現在推量」という呼び方は日本語らしくてなんとも親しみやすからむ。
この論文によると、
スペイン語の「未来形」については海外でも諸説あり、
(1) 時制(tense)として解する説
(2) 相(aspect)として解する説
(3) 叙法(mode)として解する説
日本語の助動詞の「た」を、
過去(時制)とみるか、完了(相)とみるか、
みたいな争いがスペイン語文法の世界にもあるらしい。
上田(1988)の提案は (3) と親和性が高いのかなと思う。(違っていたら直します)
未来形を時制でなく、叙法のひとつ「推量法」と解するなら、
- 直説法:客観的に事実と考えていることを表す。「〜である」
- 推量法:主観的に事実と考えていることを表す。「〜だろう」
- 接続法:事実かどうかに言及しないことを表す。「〜かどうかはさておき」
意思疎通において、事実(と思っている)かどうかは重要なことなので、
それらに着目した言い分けがあるのはナイスなかんじがする。
そして、これらのそれぞれに、
「現在」と「過去」と「完了」と「過去完了」がある、
ということになって、たいへんすっきりする。
ただこうなると、古めかしいスペイン語でたまに出てくるという
「接続法未来」「接続法未来完了」には居場所がなくなってしまう。
これらが現代スペイン語で使われなくなった理由として、
個人的にはもっともらしく思える。
けども、文法の体系書を編む人にとっては、
これらの居場所がなくなると都合がわるいかもしれない。
もしかしたら、接続法未来という、もはや死せる活用形のせいで、
生きとし生ける学習者が苦労させられているのかもしれない。
と書いて、日本語の文法のことを思った。
日本人は、平安時代の文法にひもづいた「国文法」を習うが、
外国人は、死せる古文を切り捨てた「日本語文法」を習う。
それによって飛躍的に学習効果が高まっている。
他の言語でも、そういうことがあるのかもしれない。
文法おもしろい。
2014年7月11日金曜日
インドネシアの本
インドネシア旅行のためにチェックした本。

『地球の歩き方』
基本。情報量すごい。
購入したら、すぐにバラしてスキャンして、街ごとにホチキスで再製本して持っていく。旅先では、小冊子で見る場合もあるし、PDFにしたものをiPhone等で見ることもある。この作業は少々面倒なので、早いことPDFか何かでダウンロードできるようになってほしいと思っている。

『現代インドネシアを知るための60章』
今回はこの本がいちばん役に立った実感がある。『地球の歩き方』よりも、さらにもう一歩踏みこんで知りたいとき、このシリーズはいつも重宝する。興味ある章を拾うだけでも役に立つし、読み通すと相当なボリュームになる。
『インドネシアのことがマンガで3時間でわかる本』
天然ガスとか木材とか、若い労働人口が多いこととか、ビジネス目線でインドネシアに興味をもつ人が、興味をもちそうなデータがコンパクトにまとめてある。

水本達也『インドネシア――多民族国家という宿命』中公新書
未読。多民族国家としてインドネシアをとらえたうえでの現代史。同じ中公新書の『経済大国インドネシア-21世紀の成長条件』よりも、自分にとっては優先順位が高い。
インドネシアは、本質的に国際的というか、その国内だけで「世界」を成している国のひとつと感じた。ゆるいつながりはあるものの、バラバラになってもおかしくない諸民族を、標準語の絆でどうにかまとめている。その点では中国に少し似ている。

大槻重之『インドネシア専科』Webサイト
最近これをちまちま読んでいる(行く前に読むには難しすぎた)。
情報量は圧倒的。本にしたら何冊分になることか。
作者は駐在員をされていた方。
経済のみならず、歴史や文化への目配りが広く深い。
降幡正志『インドネシア語のしくみ』
インドネシア語の文法はシンプルすぎるので、この薄い易しい優しい本だけでも、結構なところまでたどりついてしまう。深く知りたい場合は東京外大のインドネシア語学習サイトで補完する。

ドミニクス・バタオネ『インドネシア語が面白いほど身につく本』
軽そうな体裁だが中身は本格的。この本に載ってるフレーズを覚えれば旅行には十分すぎる。
インドネシア語の本は意外に少ないが(ニーズ的にはもっとたくさんあっていい)、そのなかで現状ベストな入門書と思う。
英語だけでも旅行はできるだろうけれど、ほんのすこしだけ覚えていった怪しいインドネシア語は、とくにジャワ島では予想以上に役に立った。

金子光晴『マレー蘭印紀行』
金子光晴は戦前生まれの詩人で、南洋や欧州を放浪した人。
旅行記というよりは散文詩。熱帯の濃厚な空気、マレーの風物を描いた作品として名声高い。バトパハの街でロティ(パン)とバナナと珈琲の朝食をとるシーンが有名(?)。
読んでみると意外に社会派で、日本はじめ列強による経済支配を、冷ややかに見る目線が印象に残った。本人は無頼に適当に旅をしているかのような口ぶりで、まあ実際そういう面もあったらしいけども、語学や文化や歴史や地理や時事へのたいへんに深い見識に支えられた作品であることが、旅した後だとしみじみわかった。
面白かったので、より旅行記に特化していそうな『西ひがし』も読んでみたい。
ガイドブック
『地球の歩き方』
基本。情報量すごい。
購入したら、すぐにバラしてスキャンして、街ごとにホチキスで再製本して持っていく。旅先では、小冊子で見る場合もあるし、PDFにしたものをiPhone等で見ることもある。この作業は少々面倒なので、早いことPDFか何かでダウンロードできるようになってほしいと思っている。
地誌・歴史
『現代インドネシアを知るための60章』
今回はこの本がいちばん役に立った実感がある。『地球の歩き方』よりも、さらにもう一歩踏みこんで知りたいとき、このシリーズはいつも重宝する。興味ある章を拾うだけでも役に立つし、読み通すと相当なボリュームになる。
天然ガスとか木材とか、若い労働人口が多いこととか、ビジネス目線でインドネシアに興味をもつ人が、興味をもちそうなデータがコンパクトにまとめてある。
水本達也『インドネシア――多民族国家という宿命』中公新書
未読。多民族国家としてインドネシアをとらえたうえでの現代史。同じ中公新書の『経済大国インドネシア-21世紀の成長条件』よりも、自分にとっては優先順位が高い。
インドネシアは、本質的に国際的というか、その国内だけで「世界」を成している国のひとつと感じた。ゆるいつながりはあるものの、バラバラになってもおかしくない諸民族を、標準語の絆でどうにかまとめている。その点では中国に少し似ている。

大槻重之『インドネシア専科』Webサイト
最近これをちまちま読んでいる(行く前に読むには難しすぎた)。
情報量は圧倒的。本にしたら何冊分になることか。
作者は駐在員をされていた方。
経済のみならず、歴史や文化への目配りが広く深い。
語学
インドネシア語の文法はシンプルすぎるので、この薄い易しい優しい本だけでも、結構なところまでたどりついてしまう。深く知りたい場合は東京外大のインドネシア語学習サイトで補完する。
ドミニクス・バタオネ『インドネシア語が面白いほど身につく本』
軽そうな体裁だが中身は本格的。この本に載ってるフレーズを覚えれば旅行には十分すぎる。
インドネシア語の本は意外に少ないが(ニーズ的にはもっとたくさんあっていい)、そのなかで現状ベストな入門書と思う。
英語だけでも旅行はできるだろうけれど、ほんのすこしだけ覚えていった怪しいインドネシア語は、とくにジャワ島では予想以上に役に立った。
よみもの
金子光晴『マレー蘭印紀行』
金子光晴は戦前生まれの詩人で、南洋や欧州を放浪した人。
旅行記というよりは散文詩。熱帯の濃厚な空気、マレーの風物を描いた作品として名声高い。バトパハの街でロティ(パン)とバナナと珈琲の朝食をとるシーンが有名(?)。
読んでみると意外に社会派で、日本はじめ列強による経済支配を、冷ややかに見る目線が印象に残った。本人は無頼に適当に旅をしているかのような口ぶりで、まあ実際そういう面もあったらしいけども、語学や文化や歴史や地理や時事へのたいへんに深い見識に支えられた作品であることが、旅した後だとしみじみわかった。
面白かったので、より旅行記に特化していそうな『西ひがし』も読んでみたい。
2014年7月4日金曜日
電力小売の自由化と電気料金の自由化
発電所の固定費用(建設費用など)をF、従量費用(燃料費や維持費)を発電量1あたりPとする。発電所が耐用年数を迎えるまでの総発電量をWとすると、発電量1あたりの平均費用は P + F/W となる。以下これを「本来の」平均費用と呼ぶ。
いわゆるグリッド・パリティ、つまり、自然エネルギーのコストが、他のエネルギー(以下では原子力とする)のコストを下回るという条件は、
Px + Fx/Wx < Pn + Fn/Wn
で表される(自然エネルギーの添字をx、原子力の添字をnとする)。既存電力会社が新しく原発を建設するかどうかを検討する際に用いるのは、上記の「本来の」平均費用 Pn + Fn/Wn である。
ところが、既設の原発を利用しつづけるかどうかを検討する際は、建設費用はすでに支払った後である(埋没している)ことから、平均費用を Pn と考えて意思決定を行うのが合理的となる。現行制度および会計基準(※1)のもとで、既存電力会社および政府の行う意思決定は、既存の原発を廃棄して(※2)自然エネルギー発電所を新設するか、あるいは、既存の原発をそのまま利用するか、という形になる。両者を比較して自然エネルギー発電所の新設が選ばれるための条件は、
Px + Fx/Wx < Pn
である。原発の発電コストの大半は固定費用であり、Pnは非常に小さいので、この条件は自然エネルギーにとってきわめて厳しい(※3)。たとえグリッド・パリティが成立していても、この「本来以上に」厳しい条件が満たされない限り、原発を維持するほうが既存電力会社および政府にとって合理的であることになる。
この論理は正しい。この結論を原発反対派が正しくないと考える理由は、事故および廃棄物処理のコストやリスクを、推進派が過小評価していると考えるからである。リスクの評価に正解はなく、両者の議論がかみあうことは未来永劫ない。
ところが、電力小売が自由化されて、新規参入が容易になると、状況が変化する。現行制度では、既存電力会社は、電気料金で発電所の償却費用をまかなうことが要求されている(と思う)。この条件のもとで、原子力を利用する既存電力会社のつけうる最も低い価格は Pn + Fn/Wn となる。いっぽう、自然エネルギーを利用する新規参入会社がつけうる最も低い価格は Px + Fx/Wx となる。新規参入会社が価格競争に勝つ条件は、
Px + Fx/Wx < Pn + Fn/Wn
となり、これはグリッド・パリティの成立条件と一致する。
つまり、電力小売の自由化には、固定費用と可変費用を両方含めた「本来の」発電コスト競争を回復させる効果がある。事故や廃棄物についてのリスク論争が平行線のままであっても、グリッド・パリティが成立すれば、神の見えざる手が自然エネルギー側に有利な決着をもたらしてくれるようになる。
逆に、原発を維持したい勢力にとっては、電力小売の自由化と同時に、既存電力会社の電気料金設定方式の自由化を求めるのが効果的である。償却費用をまかなえないような、 サステイナブルでないダンピングを行うことで、新規参入会社との競争に勝つことができる。さらに、ダンピングが行われるかもしれないという脅威によって、新規参入自体を阻止する効果もある(※4)。この改革は推進派にとって一石二鳥である。というか、二羽目の鳥のほうが大きいかもしれない。
電気料金設定方式の「自由化」という文字面は、一見、公正で、競争を促進するようにみえる。けれども実際には、原発側だけ固定費用を除くことによって、また、ダンピング可能性による新規参入阻止によって、市場の競争条件を原発側に有利なように修正し、競争を阻害する効果がある。反対派はこのことに注意すべきだし、推進派はこれを利用してうまいこと言うといいと思う。
--
※1 原発の資産価値が認められて、減価償却をこれまでどおり行い、原発の廃棄に伴う損失が公費で補填されない場合。
※2 廃棄にかかる費用は(実際には重要だが)ひとまず度外視する。
※3 池田信夫氏によると、Pnは4円程度とのこと。(「原発の燃料費は直接処分の場合で1円/kWhである。 これに運転維持費3.1円を加えると、変動費は4円/kWh程度」)なおこのリンク先で述べられている論理は、上記のものと同じである。
※4 実際にはダンピングが行われなくとも、その可能性があるだけで、新規参入阻止の効果がある。この抑止効果は隠然と作用する。
いわゆるグリッド・パリティ、つまり、自然エネルギーのコストが、他のエネルギー(以下では原子力とする)のコストを下回るという条件は、
Px + Fx/Wx < Pn + Fn/Wn
で表される(自然エネルギーの添字をx、原子力の添字をnとする)。既存電力会社が新しく原発を建設するかどうかを検討する際に用いるのは、上記の「本来の」平均費用 Pn + Fn/Wn である。
ところが、既設の原発を利用しつづけるかどうかを検討する際は、建設費用はすでに支払った後である(埋没している)ことから、平均費用を Pn と考えて意思決定を行うのが合理的となる。現行制度および会計基準(※1)のもとで、既存電力会社および政府の行う意思決定は、既存の原発を廃棄して(※2)自然エネルギー発電所を新設するか、あるいは、既存の原発をそのまま利用するか、という形になる。両者を比較して自然エネルギー発電所の新設が選ばれるための条件は、
Px + Fx/Wx < Pn
である。原発の発電コストの大半は固定費用であり、Pnは非常に小さいので、この条件は自然エネルギーにとってきわめて厳しい(※3)。たとえグリッド・パリティが成立していても、この「本来以上に」厳しい条件が満たされない限り、原発を維持するほうが既存電力会社および政府にとって合理的であることになる。
この論理は正しい。この結論を原発反対派が正しくないと考える理由は、事故および廃棄物処理のコストやリスクを、推進派が過小評価していると考えるからである。リスクの評価に正解はなく、両者の議論がかみあうことは未来永劫ない。
ところが、電力小売が自由化されて、新規参入が容易になると、状況が変化する。現行制度では、既存電力会社は、電気料金で発電所の償却費用をまかなうことが要求されている(と思う)。この条件のもとで、原子力を利用する既存電力会社のつけうる最も低い価格は Pn + Fn/Wn となる。いっぽう、自然エネルギーを利用する新規参入会社がつけうる最も低い価格は Px + Fx/Wx となる。新規参入会社が価格競争に勝つ条件は、
Px + Fx/Wx < Pn + Fn/Wn
となり、これはグリッド・パリティの成立条件と一致する。
つまり、電力小売の自由化には、固定費用と可変費用を両方含めた「本来の」発電コスト競争を回復させる効果がある。事故や廃棄物についてのリスク論争が平行線のままであっても、グリッド・パリティが成立すれば、神の見えざる手が自然エネルギー側に有利な決着をもたらしてくれるようになる。
逆に、原発を維持したい勢力にとっては、電力小売の自由化と同時に、既存電力会社の電気料金設定方式の自由化を求めるのが効果的である。償却費用をまかなえないような、 サステイナブルでないダンピングを行うことで、新規参入会社との競争に勝つことができる。さらに、ダンピングが行われるかもしれないという脅威によって、新規参入自体を阻止する効果もある(※4)。この改革は推進派にとって一石二鳥である。というか、二羽目の鳥のほうが大きいかもしれない。
電気料金設定方式の「自由化」という文字面は、一見、公正で、競争を促進するようにみえる。けれども実際には、原発側だけ固定費用を除くことによって、また、ダンピング可能性による新規参入阻止によって、市場の競争条件を原発側に有利なように修正し、競争を阻害する効果がある。反対派はこのことに注意すべきだし、推進派はこれを利用してうまいこと言うといいと思う。
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※1 原発の資産価値が認められて、減価償却をこれまでどおり行い、原発の廃棄に伴う損失が公費で補填されない場合。
※2 廃棄にかかる費用は(実際には重要だが)ひとまず度外視する。
※3 池田信夫氏によると、Pnは4円程度とのこと。(「原発の燃料費は直接処分の場合で1円/kWhである。 これに運転維持費3.1円を加えると、変動費は4円/kWh程度」)なおこのリンク先で述べられている論理は、上記のものと同じである。
※4 実際にはダンピングが行われなくとも、その可能性があるだけで、新規参入阻止の効果がある。この抑止効果は隠然と作用する。
2014年5月14日水曜日
数式OKのオンラインOCR「Mosha」は日本語力もすごい
オンラインOCRサービスMoshaというのができたそうです。
JPEG・PNGなどの画像を読み取って、テキスト・Word・TeXで出力。
日本語・英語に加えて、数式にも対応。しかも無料。
さっそく試してみました。まずは数式。これが元画像。
ドラッグ&ドロップで認識開始。
結果。おお、完璧。
自分で書いてたのとほとんど同じTeXコマンドが出力されるのが面白い。
Word(doc形式)のファイルとしてダウンロードできる。
もうちょっと複雑だとどうかな。
結果はこんな感じ。
積分範囲の文字のアンダースコアなど、細かい部分も再現されている。
全般に、細部の再現には強い印象。
いっぽう、日本語と記号の混在には弱いかもしれない( U(ん)←U(h) )。
あと、ときどき、数式番号が数式に混ざってしまう。
でもこれは、スクリーンショットを撮るときの工夫で回避できそうではある。
自炊したPDFはどうだろう。(出典:『ファインマン物理学1』岩波書店)
いきなりWordになるのは快感。
数式のOCRは、使いどころが難しいかもしれない。文章とちがって、大雑把では意味が無いことが多いし、ざっくり読み取っておいてあとで検索するという使い方もあまりしないから。そもそも、PDFをまるごと読み込むことは現状できないので、そういう使い方は想定していないのかもしれない。TeX→Word あるいは PDF → TeX / Word 変換のファーストステップとしては使えそう。
あと、数式をOCRで読んでTeXにできるということは、数式の構造を把握できるということだから、たとえば携帯電話で数式撮ってアップロードしたら答えが返ってくるとか、Google Glassで数式見たら答えが見えるとか、似たような構造の式を過去の論文や『公式集』から自動抽出してヒラメキ支援とか、いろいろスゴイことにつながるのかもしれない。
いくつか試すうちに、これ、数式もいいけど、単に日本語OCRとして使える子なのでは、と気がついた。そこで、以前の記事で使ったサンプルを認識させてみた。
認識結果はこんなかんじ。
オンラインの日本語OCRサービスを試した中では圧倒的に優秀。
オフラインのOCRソフトの最強レベルにも負けてない。
ということで、Mosha、数式を使わない文章にもおすすめです。
JPEG・PNGなどの画像を読み取って、テキスト・Word・TeXで出力。
日本語・英語に加えて、数式にも対応。しかも無料。
さっそく試してみました。まずは数式。これが元画像。
ドラッグ&ドロップで認識開始。
結果。おお、完璧。
自分で書いてたのとほとんど同じTeXコマンドが出力されるのが面白い。
Word(doc形式)のファイルとしてダウンロードできる。
もうちょっと複雑だとどうかな。
積分範囲の文字のアンダースコアなど、細かい部分も再現されている。
全般に、細部の再現には強い印象。
いっぽう、日本語と記号の混在には弱いかもしれない( U(ん)←U(h) )。
あと、ときどき、数式番号が数式に混ざってしまう。
でもこれは、スクリーンショットを撮るときの工夫で回避できそうではある。
自炊したPDFはどうだろう。(出典:『ファインマン物理学1』岩波書店)
いきなりWordになるのは快感。
数式のOCRは、使いどころが難しいかもしれない。文章とちがって、大雑把では意味が無いことが多いし、ざっくり読み取っておいてあとで検索するという使い方もあまりしないから。そもそも、PDFをまるごと読み込むことは現状できないので、そういう使い方は想定していないのかもしれない。TeX→Word あるいは PDF → TeX / Word 変換のファーストステップとしては使えそう。
いくつか試すうちに、これ、数式もいいけど、単に日本語OCRとして使える子なのでは、と気がついた。そこで、以前の記事で使ったサンプルを認識させてみた。
認識結果はこんなかんじ。
羊乳から作ったペコリーノチーズ
Peconnoも島の特産だ。 このチーズ
は料理用として、 また、 テーブルチ
--7"として食される。本土では牛乳
からつくられることが多い、 リコッ
タチーズもこの地では羊乳製。滑ら
かでクリーミーな優しい口当たりは
絶品。作りたてのリコッタチーズ
オンラインの日本語OCRサービスを試した中では圧倒的に優秀。
オフラインのOCRソフトの最強レベルにも負けてない。
ということで、Mosha、数式を使わない文章にもおすすめです。
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